河賀県尾阿下村/手遊び歌
てんてん てのひら あわせましょ
ひとつ ふたつ かぞえましょ
にわのほうから よぶこえに
はあいと こたえて かけるあさ
てんてん てのひら ならしましょ
ふたつ みっつ かぞえましょ
たんぼの あぜみち かぜがふく
かげは みじかく あしもとに
てんてん てのひら はなしましょ
みっつ よっつ かぞえましょ
あかりの むこうの そのむこう
かえらぬ こえが よんでいる
てんてん てのひら さようなら
尾阿下小学校児童、尾阿下神社例大祭にて、1982年

一〜三番は同じ節で歌います。
河賀県尾阿下村に伝わる手遊び歌です。夕方、家路につく子どもたちが別れ際によく歌いますが、日が暮れてから歌うことは禁忌とされています。
同村には、歌と同名の妖怪「てんてん」の伝承が残されています。日が暮れてからこの歌を口ずさむと、てんてんが顔見知りの子どもの姿で現れ、手遊びの相手をせがむといいます。てんてんには腕が4本あり、3本目と4本目の手のひらには筋(手相)がないため、それと見分けることができるとされます。この筋のない手と手を合わせてしまうと、てんてんに体をとられ、二度と家に帰れなくなると言われています。反対に、筋のない手だけを避けて最後まで遊びきると、てんてんはあきらめて去っていくそうです。
このわらべうたと妖怪の伝承は、どちらも「暗くなるまで遊んではいけない」という子どもへの躾の一環として作られたものと考えられています。
